過酸化水素水と過マンガン酸カリウムの滴定|化学反応式・酸化還元反応式は?

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過マンガン酸カリウムと過酸化水素水の滴定で化学反応式は?

過酸化水素水と過マンガン酸カリウムの酸化還元反応式・イオン反応式は?

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過酸化水素水と過マンガン酸カリウムの滴定|化学反応式・酸化還元反応式は?

中性条件下での過酸化水素と過マンガン酸カリウムの反応を化学反応式は、

2KMnO4 + 3H2O2 → 2MnO2 + 2H2O + 3O2 + 2KOH

となります。

過マンガン酸カリウムと過酸化水素を反応させると無色になるのは赤紫色の過マンガン酸イオンが還元されてほぼ無色のマンガン(Ⅱ)イオンになるからです。

まず、過マンガン酸カリウムが酸化剤としてはたらくときのイオン反応式は

MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O ・・・①

となります。

一方、過酸化水素が還元剤としてはたらくときのイオン反応式は

H2O2 → O2 + 2H+ + 2e- ・・・②

となります。

過マンガン酸イオンと過酸化水素のイオン反応式で電子を消去するためにそれぞれに5倍、2倍します。

つまり、

①×2 +②×5

で e- を消去すると

2MnO4- + 16H+ + 5H2O2 → 2Mn2+ + 8H2O +5O2 + 10H+

余分なH+を消去すると

2MnO4- + 6H+ + 5H2O2 → 2Mn2+ + 8H2O +5O2

両辺に3 SO42- を加えて、陽イオンを消去すると

2MnO4- + 3H2SO4 + 5H2O2 → 2MnSO4 + 8H2O +5O2 + SO42-

最後に両辺に2 K+ を加えて、陽イオンを消去すると

2KMnO4 + 3H2SO4 + 5H2O2 → 2MnSO4 + 8H2O +5O2 + K2SO4

となります。

ちなみに、過酸化水素に過マンガン酸カリウムを滴定する実験で、酸性条件下にするために硝酸と塩酸を用いてはいけないのは過酸化水素水に塩酸を入れてしまうとCl?が還元剤、H?O?が酸化剤としてこいつらの間で酸化還元反応を起こす上、Cl2はMnO4-とも反応するので過酸化水素の正確な物質量が算出できません。
また硝酸を加えた場合でも、HNO3が酸化剤、H2O2が還元剤としてこいつらの間で酸化還元反応が起こってしまい、反応するH?O?の物質量が変わってしまいます。

酸化還元反応を起こすだけならどれを混ぜようが知ったこっちゃないですが、
滴定というのは濃度既知の滴下溶液の”体積”を実験で測定し、その結果を以って反応相手の物質量を決める実験です。
滴下前の調整段階で反応相手が勝手に反応を起こして減ってしまうのは無論”なにしてくれてんねん”って感じですが、
Cl2とH2O2のように反応相手が2つになってしまった場合、KMnO?がそれぞれとどれだけ反応したのか、人の目では分かりっこありません。

このような事態になってしまうと、もはや滴定実験をしてH2O2の物質量(ひいては濃度)を求める意味が無くなります。

だからこそ余計な反応を起こさない希硫酸を用いて酸性条件下にするのです。

希硫酸であればH?を放出しやすく、その上生成するSO4_2-は酸化還元反応に関与しません。(※)

ゆえに純粋にH2を供給するだけの脇役に徹してくれ、用意した酸化剤と還元剤”だけ”が反応し合う場を提供してくれるのです。」

過酸化水素水と過マンガン酸カリウムの化学反応式・酸化還元反応式でモル数の問題

過マンガン酸カリウムと過酸化水素水の10倍に薄めたモル濃度と10倍に薄める前のモル濃度を求めてください。

さらに、このモル濃度を使って市販のオキシドール100ml中のH2O2の質量%濃度を求めよ、といった問題について。

オキシドール1.0g/cm3です。H=1.0,O=16

わかっている値、滴下量の平均値は17.78ml、0.050mol/L過マンガン酸カリウム、3mol/L硫酸。

操作
①市販のオキシドールを10.0ml 量り取り、100mlメスフラスコに移し純水で正確に10倍に希釈する。
②①で希釈したオキシドール10.0mlをホールピペットでコニカルビーカーにとり、3mol /L H2SO4 5mlと純粋を加えて約50mlとする。
③ビュレットから0.050mol KMnO4水溶液を滴下し、滴下量の(ml)を求める

硫酸酸性の過マンガン酸カリウムと過酸化水素の反応は、

2KMnO4 + 5H2O2 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + K2SO4+ 5O2 + 8H2O

10倍に薄めた過酸化水素水のモル濃度を a [mol/L] とすると、

0.050×17.78/1000:a×10.0/1000=2:5

これより、 a=0.222≒0.22 [mol/L]

薄める前の過酸化水素水のモル濃度は、
0.22×10=2.2 [mol/L]

質量パーセント濃度は、
34×2.2/1000×100=7.48≒7.5 [%]
となります。

蛇足ですが、 求めた濃度は通常の市販のオキシドールの濃度と異なるので、 もし、 過マンガン酸カリウム水溶液の滴下量が

17.78mL ではなく、 7.78mL なら、

a=0.097 [mol/L]

薄める前の過酸化水素:0.97 mol/L
質量パーセント濃度:3.3%

とそれらしい値になります。

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