「殿中でござる!」意味は?
忠臣蔵の松の廊下でおきた浅野内匠頭長矩と吉良上野介義央のいざこざの際の名セリフですが「殿中でござる!」意味は?
「殿中でござる!」意味は?忠臣蔵の松の廊下で浅野内匠頭長矩と吉良上野介義央
松の廊下で、浅野内匠頭長矩が吉良上野介義央へ刃傷に及んだ際、浅野を取り押さえた梶川 頼照(かじかわ よりてる)の言葉「(刃物を抜くのが禁止されている)殿中でございます。」です。
江戸時代、殿中(江戸城内)で抜刀すると、理由如何によらず、切腹でした。
そのことを思い出させて、冷静にさせようとしたって所でしょう。
まあ「ここは江戸城だぞ!落ち着け!」って感じ?
ちなみに、「殿中でござる。」という言葉は将軍の居城など格式の高い場に応じてない相手に対し使われます。
・服装が場所にそぐわない。
・言葉遣いが不謹慎。
・大声で話すまたは笑う
・所作が型どおりできていない。
場所柄にふさわしくない言動があれば、「殿中でございますぞ」と注意されます。
ちなみに、浅野内匠頭長矩の「武士の情けじゃ、お離しくだされ梶川殿」とは梶川与惣兵衛のこと。
偶然その場に居合わせ、浅野内匠頭を取り押さえたことで知られています。
まとめ:「殿中でござる!」意味は?
「殿中」とは江戸城、特に将軍の御殿の中という意味です。
将軍の住まいである殿中で抜刀するのは謀反に相当するので厳禁でした。
江戸城内に入ることを許される旗本・大名は脇差を帯びたままで良いことになっていました。ただし、抜刀どころか「鯉口三寸」つまり刀を鞘から三寸出しただけでアウト。
家は断絶、本人は切腹です。
「忠臣蔵」は史実をもとにした武士の敵討ちの物語で、事件が起きた江戸時代にはもうお芝居にされて歌舞伎などで上演され、平成の初め頃まではテレビでもお正月の特番ドラマで毎年のように放送されていました。
「殿中でござる」のセリフは、江戸城の中で武士が裃(かみしも)という、裾がとても長いハカマをつけた状態で叫ばれるセリフです。ハカマの裾は踏まれた状態です。