サリチル酸メチル合成で炭酸水素ナトリウムはなぜ反応しない?溶けない?

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サリチル酸メチルの合成のときに、炭酸水素ナトリウムを加えるのはなぜなんでしょうか?

また、サリチル酸メチルは炭酸水素ナトリウムと反応しないのはなぜなんでしょうか?

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サリチル酸メチル合成でなぜ炭酸水素ナトリウム?

サリチル酸メチルの合成のときに、炭酸水素ナトリウムを加えるのはなぜなのかというと、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて未反応のサリチル酸や触媒の濃硫酸を塩にすることで水層に溶かすためです。

炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を入れると、未反応のサリチル酸がナトリウム塩になるので水層に移動します。

サリチル酸メチルは油状の液体で水には溶けません。

よって水層と油層を分離すれば目的のサリチル酸メチルだけ取り出せます。炭酸水素ナトリウムを加えないと、生成物のサリチル酸メチルと原料のサリチル酸が混ざったままです。

・サリチル酸+炭酸水素ナトリウム→サリチル酸ナトリウム+水+二酸化炭素
・濃硫酸+2炭酸水素ナトリウム→硫酸ナトリウム+2水+2二酸化炭素

HO-C6H4-COOH + NaHCO3 → HO-C6H4-COONa + H2O + CO2

■加水分解反応

HO-C6H4-COOCH3 + NaOH → HO-C6H4-COONa + CH3OH

HO-C6H4-COONa + HCl → HO-C6H4-COOH + NaCl

■サリチル酸メチル
外観:無色油状液体(融点-8℃)
匂い:特有の芳香

<合成法>
サリチル酸とメタノール、濃硫酸(触媒)を混合し、加熱して反応させる。

HO-C6H4-COOH + CH3OH → HO-C6H4-COOCH3 + H2O

サリチル酸メチル合成で炭酸水素ナトリウムはなぜ反応しない?溶けない?

サリチル酸には酸性を示すカルボキシ(ル)基を構造中に持つため、炭酸水素ナトリウムと反応することができます。

一方のサリチル酸メチルはサリチル酸のカルボキシ基の部分(-COOH)が-COOCH3(エステル)になっているため酸性を示しません。なので、炭酸水素ナトリウムと反応を起こしません。

サリチル酸はフェノール性のヒドロキシ基とカルボキシル基という二種類の酸性をします官能基を一分子内に持っているため、ヒドロキシ基の部分と反応を起こすのではないのかと思うかもしれません。けれども反応は起きません。

何故かというと中和の範囲で弱酸遊離の所を学んでいればわかると思いますが、フェノール性のヒドロキシ基は炭酸よりも弱い酸であるため反応は起こりません。酸の強さの序列を書くとカルボン酸>炭酸>フェノール(性のヒドロキシ基)となります。

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