対数の引数は必ず無次元になるとはいえない|田崎晴明著「統計力学I」

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「対数の引数は必ず無次元になるとはいえない」について解説

田崎晴明著「統計力学I」(培風館)の注釈に「対数の引数は必ず無次元になるとはいえない」はどのように解釈すればよいんでしょうか?意味・具体例は?

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対数の引数は必ず無次元になるとはいえない|田崎晴明著「統計力学I」

まず、「対数の引数は必ず無次元になるとはいえない」ということは、対数の中に入る数値が、次元を持っている場合があるということです。

物理の関係式で、A = exp(B) という式があるとします。ここで、B は無次元であるため、A も無次元です。しかし、これを対数にすると、B = log(A) となります。この場合、対数の引数である A も無次元です。

しかし、A が他の物理量の積で表されていて、その要素である C と D が次元を持っている場合、A = C × D と書けます。この場合、対数の引数は次元を持っています。具体的には、B = log(C) + log(D) となります。対数の引数が次元を持っていることは、物理量を表す数式としては問題ありません。このような場合、対数の中身は次元を持っていますが、対数の結果である B は無次元です。

ただし、対数の引数が次元を持っている場合、テイラー展開の際に問題が生じる可能性があります。この場合、対数のテイラー展開の公式を考え、注意深く対処する必要があります。

物理学では、単位の任意性をもつ物理量の対数を計算することはできません。対数や指数関数などの関数の引数となる変数は、物理量を物理量で割った式であり、その結果は無次元になります。対数を計算する際には、対数の引数を無次元にしてから計算する必要があります。

物理学においては、微分方程式を解く過程で指数関数の形の解が現れることがあります。この場合、解の中には必ず無次元の要素が含まれます。指数関数のべきの部分は、無次元になる性質があります。

次元とは?対数の引数は必ず無次元になるとはいえない

次元とは、空間の広がりを表す指標です。

具体的には、ある空間内で特定の位置を指し示すのに必要な変数の数が次元となります。たとえば、平面上の位置を表すには、x座標とy座標のような2つの変数が必要であるから、平面は2次元空間とされます。

数学や計算機において、要素の配列の長さを指しても次元と呼ばれます。また、物理科学では、物理量の自由度や基本量の種類を記述するためにも使用されます。

物理学的には、空間・時空において、3次元的な空間と1次元的な時間が基本的な次元とされます。相対性理論では、空間と時間は異なる性質を持つものとして扱われ、4次元の空間で現象が記述されます。

また、プログラムの配列においても、添字の数が次元として考えられます。さらに、物理量の次元とは、その体系において独立な基本量の冪乗として表されるものであり、次元解析という手法が物理量間の関係を予測するために用いられます。

物理において、各物理量の単位が重要な意味を持ちます。単位が揃っていなければ物理量は比較できません。物理量の次元とは、物理量として同じ種類であることを示すものであり、例えば長さや面積、質量、時間などが異なる次元に該当します。

無次元とは?対数の引数は必ず無次元になるとはいえない

無次元とは、次元を持たない量のことです。

物理学や工学などの分野では、無次元量というのは、すべての次元指数がゼロである量を指します。つまり、その量には長さ、質量、時間などの次元が含まれていないということです。

無次元量は、物理学や工学、経済学などのさまざまな分野で広く使用されています。これらの量の数値は、単位の選択に依存しないため、現象を特徴付けるための重要な指標となります。

無次元量は、比として定義されることが一般的です。たとえば、傾きは水平距離に対する鉛直距離の比であり、長さ同士の比として定義されます。また、変形の尺度であるひずみも、変形前の長さに対する長さの変化の比として定義されます。

このような無次元量は、単位の選択に依存せず、単位を扱う必要がありません。たとえば、角度の単位であるラジアンは無次元量であり、円周上の長さと半径の比率として定義されます。

統計学では、変動係数などが無次元量として使用されます。変動係数は平均に対する標準偏差の比であり、データのばらつきを表現するために役立ちます。

単位がない数値のことを無次元数と呼びます。長さや質量、時間などの基本的な次元によって次元が決まりますが、計算から導かれる値が単位を持たない場合、無次元数として扱われます。

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