車の窓ガラスが凍結したときに電磁波（マイクロ波）を使って解氷できる？
インスタで凍結防止メーターという電磁波（マイクロ波）で車の窓ガラスの凍結が予防できるという商品が宣伝されるのを見かけますが、車の機器系統や人体に悪い影響はないのでしょうか。
凍結防止グッズ｜電磁波（マイクロ波）に解氷効果は？車の窓ガラス
寒い冬の朝、車の窓ガラスが凍結していると、視界が悪く危険です。また、ガラスを強くこすると傷がつく恐れもありますが車の窓ガラスが凍結したときに電磁波（マイクロ波）を使って解氷できるかについて、理論的に考えると、この方法は現実的ではありません。電磁波は物理現象であり、熱を伝えて溶かすには大量のエネルギーが必要です。
例えば、1ジュールのエネルギーで水1gの温度を1度上げることができますが、凍結した固体の水を液体に戻すには80倍の熱量が必要です。さらに、電磁波は距離の2乗に応じて出力が減少するため、出力を十分に確保するには非常に高い出力が必要です。家庭用のマイクロ波は水分に対して高い発熱性を持つものの、凍った状態の水分には効果が限定されます。
人体に対しても、このような高出力の電磁波を使用する場合、安全性についての問題があります。そのため、人体への影響や安全性を検証せずに製品化することは考えにくいでしょう。
さらに、製品化にあたっては製造コストやリスクも考慮されるため、実用的な効果が期待できないと見込まれる方法は、製品として市場に出ることは少ないでしょう。
凍結防止｜車の窓ガラスの正しい解氷方法
凍結を防ぐためにできること
まずは、凍結を防ぐことが大切です。凍結を防ぐためには、次の方法が効果的です。
車を駐車する前に、フロントガラスに凍結防止カバーをかけておく。
車内の湿気をこまめに除去する。
車内の温度を下げないようにする。
凍結してしまったら
凍結してしまった場合は、次の方法で対処しましょう。
■スクレーパーを使う
最も確実な方法は、スクレーパーを使って氷を削り取る方法です。ただし、金属製や硬いプラスチック製のスクレーパーを使用すると、フロントガラスを傷つける恐れがあるので注意しましょう。カー用品店で、フロントガラスにやさしいスクレーパーを購入するのがおすすめです。
■解氷スプレーをかける
解氷スプレーは、エタノールなどのアルコール成分が含まれており、氷を溶かす効果があります。解氷スプレーは、カー用品店で購入することができます。また、アルコールランプなどに使う燃料用のエタノルと水を適切な比率で混ぜて、スプレーボトルに入れれば、自作することもできます。
■リモコンエンジンスターターを使用する
リモコンエンジンスターターは、離れた場所からでもリモコンでエンジンを始動できる装置です。エンジンを始動すると、暖房が効き、フロントガラスの凍結が解けます。リモコンエンジンスターターは、メーカー純正品や社外品が販売されています。
■NG行為
凍結した窓ガラスに熱湯をかけるのは、絶対にNGです。熱湯をかけると、ガラスが割れたり、解けた水が再び凍りついて視界が悪くなる恐れがあります。
まとめ；電磁波（マイクロ波）の凍結防止グッズの解氷効果は？
車の窓ガラスが凍結したときに電磁波（マイクロ波）を使って解氷する効果はないと考えたほうが良さそうです。
- マイクロ波は、水分子の振動を促進する作用がありますが、ガラスは水分を含んでいないため、効果がありません。
- マイクロ波は、金属に吸収されやすいため、車の金属部品に損傷を与える可能性があります。
- マイクロ波は、人体にも影響を与える可能性があるため、安全に使用することが難しいです。
マイクロ波は出力が距離に応じて減少し、氷を溶かすには膨大な出力が必要です。
さらに、凍結した状態の水分はマイクロ波をほとんど吸収せず、効率的にエネルギーを吸収できないため、解氷には適していません。
具体的には、マイクロ波は、水分子の振動によって、氷を溶かす効果があります。しかし、車の窓ガラスは、ガラスと空気で構成されており、水分はほとんど含まれていません。そのため、マイクロ波を照射しても、氷を溶かすことができないのです。
また、マイクロ波は、金属に吸収されやすいため、車の金属部品に損傷を与える可能性があります。例えば、アンテナやワイパーなどの金属部品にマイクロ波を照射すると、発熱や変形などの損傷が生じる可能性があります。
さらに、マイクロ波は、人体にも影響を与える可能性があるため、安全に使用することが難しいです。例えば、マイクロ波を高出力で照射すると、熱傷や皮膚の損傷などの健康被害が生じる可能性があります。
これらの理由から、車の窓ガラスが凍結したときに電磁波（マイクロ波）を使って解氷することは、現実的ではありません。
凍結の予防策としては、凍結防止カバーや代替として毛布やシーツを用いる方法があります。これらはフロントガラスにかけておくことで凍結を防ぎます。ただし、カバーや毛布を使う際は、ワイパーやドアミラーで固定することが重要です。
凍結したガラスに対しての対処法として、お湯をかけるのは避けるべきです。温度差でガラスが割れたり、解けた水が再び凍る可能性があるため、危険です。確実に氷を取る方法としては、スクレーパーを使うことが効果的です。ただし、金属製や硬いプラスチック製のスクレーパーはガラスを傷つける可能性があるため、クルマに負担をかけない素材のものを選ぶことが大切です。
また、解氷スプレーを使う方法もあります。解氷スプレーはアルコールを含んでおり、それが凍る温度よりも低いため、エタノールなどが凍ることはありません。自作も可能で、燃料用のエタノールと水を混ぜてスプレーボトルに入れれば完成します。このスプレーを使うことで、ガラスを凍結から解放することができます。
さらに、リモコンエンジンスターターを利用する方法もあります。これは車内をあらかじめ暖めることができる便利なアイテムで、スマートフォンアプリと連動した商品もあります。車内の温度を確認し、エンジンの始動時間を指定することが可能で、季節を問わず快適な室温を保つことができます。
