ディーディー・ブランチャード殺害事件とは?#ハリケーン・カトリーナ

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ディーディー・ブランチャード殺害事件について「奇跡体験!アンビリバボー」で再現ドラマと共に紹介されました。

重い障害を抱える娘のジプシーを懸命に支える母親ディーディー・ブランチャードがハリケーン・カトリーナをきっかけに注目を集めるようになります。

ディーディー・ブランチャードのもとには数多くの寄付や支援が集まるものの、自宅で殺害され娘の行方も分からなくなるという事件が発生しました。

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ディーディー・ブランチャードと娘のジプシー

ディーディー・ブランチャードは1991年、24歳の時に当時17歳だったロッド・ブランチャードの子供を妊娠。

ふたりともガンズ・アンド・ローゼズのファンだったことから生まれた子供がジプシー・ローズと命名するものの、
実はロッドはジプシーを生む前からディー・ディーとの結婚が間違っていたと感じていたようで、ジプシーを生まれる前に2人は離婚。

ディー・ディーは生まれたばかりのジプシーを連れ自身の家族と一緒に生活を始め、
「元夫は虐待的な麻薬中毒者で、少しもお金を送ってこない」と周囲に愚痴をこぼしていたそうです。

ディー・ディーがジプシーの様子に異変を感じるようになったのは生後3ヶ月にも満たない時で
睡眠時無呼吸症候群に苦しんでいると病院に連れていき一晩中モニターに繋げ検査を受けさせたり、
染色体異常に起因する健康問題が起きていると訴えるようになります。

ジプシーが7歳 (8歳とも) の時、祖父とバイクに乗っていたときには事故に巻き込まれてからは、
足に擦り傷程度の軽傷ではあったものの、手術を受けさせるように訴え、以降はジプシーを歩行器を改良した車椅子に座らせるようになります。

また、ディー・ディーはジプシーが筋ジストロフィーと白血病にかかっていると主張し治療を求め薬の投与を行い、
「固形物は食べられない」としてチューブによる流動食を与えるなど
早産のための知的障害や白血病、喘息 、筋ジストロフィーといった様々な慢性疾患に苦しめられる少女に尽くす献身的な母親として周囲の目には映っていたようです。

ハリケーン・カトリーナがディーディー・ブランチャードの転機に

ディーディー・ブランチャードはジプシーが筋ジストロフィーを患っていると主張するも筋生検では兆候が見つからなかったものの、
その他の様々な病気に関しては病院で治療をしてもらえることになります。

ジプシーが数か月ごとに発作を起こしたと訴えて抗てんかん薬を処方してもらったり、いくつかの手術も受けさせるなど、
ディーディー・ブランチャードはジプシーを救急救命室に連れて行くのが日常茶飯事となっていた中、ハリケーン・カトリーナが猛威を振るいます。

ディーディー・ブランチャードとジプシーが住んでいたアパートも破壊され、ミズーリ州への移住を余儀なくされますが、
2005年8月のカトリーナによる破壊から避難せざるを得なかった重度の障害者の娘を持つシングルマザーとしてアメリカで注目される存在になります。

車椅子用のスロープと浴槽を備えた小さな家など、余りあるほどの支援が集まり、
中にはウォルト・ディズニー・ワールドへの無料招待旅行、アメリカの人気アーティスト・ミランダ・ランバートのコンサートのバックステージ・パスなどまで多岐にわたりました。

その間もディーディーはジプシーのよだれを抑制するために、唾液腺の一部をボトックスで治療するなど、
ディーディーによるジプシーの医療介入は続けられていました。

ディーディー・ブランチャード殺害事件が発生

ディーディー・ブランチャードが殺害されていることが発見されたのは2015年6月のこと。

ディーディーのFacebookアカウントから送信されたメッセージに不安を感じた友人が電話をしたところ誰も出ないのに、
通院のために使う車はガレージに駐車したままだったことから警察に通報。

家の中は荒れた様子もなく静かではあったものの、自宅寝室で血まみれになって死んでいるところを発見。

さらにジプシーの姿は見えず、ジプシーが使用している特注の車椅子、酸素ボンベや栄養チューブなどの支援機器も全て家の中に残されたまま。

ジプシーの命も絶望的だと誰もが思います。

ディーディー・ブランチャード殺害事件の犯人・真相は?

ディーディー・ブランチャード事件の犯人は誰だったのか?その真相はほどなく明るみになります。

隣人の証言によりジプシーには秘密のオンラインの恋人・ゴデジョンがいることがわかり、警察がゴデジョンの身元を調べて家を急襲すると、そこにはジプシーと彼の姿がありました。

しかもジプシーは車椅子に乗っているわけでもなければ、ベッドで寝ているわけでもなく、健康そのものといった様子で、身体的および精神的健康問題に苦しんではいないことが発覚します。

この報道を受けて献身的な母親を手にかけたとして、ジプシーに対して非難の目が向けられるようになりましたが、実はディーディー・ブランチャード殺害事件の真相は、ディーディー・ブランチャード本人にありました。

重い障害を持っているように見せかけていたのはジプシー自身の意思ではなく、ディーディー・ブランチャードが仕向けていたものでした。

ディーディー・ブランチャードは他人がいるところでは常に娘の手を握っていましたが、それはジプシーのことを思いやる気持ちの表れではなく、娘を支配するための行動の現れでした。

ジプシーが本当は病気ではないことを示唆するようなことを口にしそうになると、ディーディーはジプシーの手をぎゅっと強く握り締めてそれ以上は話をさせないようにさせ、
二人きりの時は、ディーディーは平手打ちかハンガーで彼女を叩くなど身体的虐待を行っていたことがジプシーの口から明らかにされました。

ジプシーの年齢も実際より5歳ほど低い年齢とされていましたが、それもディーディー・ブランチャードがオリジナルの出生証明書がカトリーナの後の洪水の際に失われたと証言が信用されました。

ジプシーの身長は150㎝とアメリカ人としては非常に小柄だったのも子供用の液体栄養補助食品しか食べさせてもらえなかったからで、
健康だったにも関わらずディーディーの手によって大きな眼鏡をかけさせられ高くて子供っぽい喋りかたをするように言われ、
挙句の果てには脱毛した化学療法患者に似せるために、定期的にジプシーの頭を剃っていました。

ジプシーの見た目は母親の言うすべての問題を彼女が抱えているという認識を強めて余りあるものがありました。

ディーディー・ブランチャード殺害事件の真相は、母親の支配に苦しんできたジプシーが恋人のゴデジョンに頼んで代理で母親の命を奪ってもらった、というものだったわけです。

ディーディー・ブランチャードの代理ミュンヒハウゼン症候群とは?

ディーディー・ブランチャードがなぜ、これほどまでに娘のジプシーを重い障害を抱えた少女に仕立て上げたかったのか?

最終的には寄付金を目当てにしていた可能性も否めませんが、代理ミュンヒハウゼン症候群に陥っていたというのが大方の見解となっています。

代理ミュンヒハウゼン症候群とは自分の子供やパートナーなどを利用して周囲の関心や同情を誘う「虚偽性障害」で、
もともとは周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、自らの体を傷付けたりするといった行動のことを「ミュンヒハウゼン症候群」と称していました。

日本でも過剰な代理ミュンヒハウゼン症候群によって母親が実の娘の命を奪ってしまうという事件が起きています。

京都大病院などで娘3人の点滴に水道水などを混入し、死傷させたとして、傷害致死と傷害の罪に問われた高木香織被告(37)=岐阜県関市=の裁判員裁判の判決で、京都地裁は20日、懲役10年(求刑懲役15年)を言い渡した。

高木被告は精神鑑定で、子どもを病気にして注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)」と診断された。

増田耕児裁判長は判決理由で、高木被告が長時間くみ置いた水を使ったり、集中治療室(ICU)で混入したりした点を挙げ「犯行態様は常軌を逸しており、娘の肉体的精神的苦痛は計り知れない」と指摘。「うち1人の命を奪っており、通常の傷害致死や傷害よりも悪質だ」と結論付けた。

公判では、弁護側が「被告はMSBPで判断能力が低下していた」として執行猶予付きの判決を求めたのに対し、検察側は「刑を軽くする事情ではない」と主張した。

判決によると、高木被告は2004~08年、三女、四女、五女の点滴に水道水などを混入。三女と五女に敗血症などを発症させ、四女を生後8カ月で死亡させた。〔共同〕

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2003O_Q0A520C1CC1000/
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