李徴の性格は?虎になった理由の抜き出しは?山月記

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「山月記」は国語の現代文の授業で習うことが多い中島敦の小説。

学校の宿題やテストでは李徴の性格について答えるように言われることが多いです。

また、李徴が虎になった理由を本文から抜き出すという問題の答えは?

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李徴の性格は?山月記

李徴は性格は本文中には「狷介」という語があります。

「山月記」では、初めのほうに「性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。」という文章があります

これが、李徴の性格です

「性」は「性格」を意味し、「狷介」より、「自己中心的」ということがわかります。

「狷介」の一語ですべてをあらわしますが、具体的にはつぎのようなことがいえるでしょう。

・自分の能力を高く評価するあまり、他人と調和して生きることができない

・芸術至上主義ともいうべき考えを持ちながら、人と磨きあうことをいやがった

虎になってからは、運命に対する生き物の無力さを実感している人物。
また、孤独に絶望している

李徴はとても頑固で自分に自信があり、上にへこへこしてご機嫌をとるようなことを良いこととは思わなかった。そう時間の経たない内にその仕事をやめ、やめた後は山にこもり人間と会うことを避けひたすら詩を作ることに集中した。部下になって能力のない馬鹿上司の下で働くよりは、作詩家として名前を残そうとした。

李徴は要するに賢いプライドの高い人で「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」によって、審美眼のある他人から詩を批評されることを拒み、独りで詩を作り続けていました。これを野球に例えれば「中学時代からJr.日本代表に選ばれるほどの天才バッターだったものの、都会の野球名門校へ進学して万が一レギュラーを取れなかったらと考えると恐ろしい(=臆病な自尊心)ので『名門校で低い扱いをされるのが気に入らない』という理由をつけて地元の高校に進学。しかしそこでレベルの低い野球部の連中と一緒にプレイするのは彼のプライドが許さず(=尊大な羞恥心)、しょうがなく野球部に入らないままMLBの4番を夢見て独りで素振りを続ける」ようなもの。これではどれだけ詩人としての素質があっても、一流の文士たちによって推敲され、洗練された一流の詩を生み出すことはできません。

彼の性格は、あくまでも「プライドが高いように見える」ものだったのです。

人と交流すれば自分は劣る面が出てしまうと恐れ、人と付き合わず、彼は、自分自身を「素晴しい者」と思いこんでいたのです。
しかし、作り出してはいても、それは外面だけのことなのであり、その内側には「人より劣ることを恐れる思い」ばかりがあふれていたのです。

虎になってしまったとき、同時に彼は、「人より優れているという思い込み」もまた失ってしまいました。
それを失ってしまえば、残るものは、長いこと彼が恐れていたことだけになってしまうのです。

虎になって袁?に詩を語っているときは自嘲心が強くなりますが、自嘲の中に、もはや飾り立てることもなく、彼は彼自身の姿を語っていきます。

それは、じつは彼が最初から抱いていた思いなのであり、「プライドのようなもの」によって覆い隠していただけのものだったのです。

李徴が虎になった理由の抜き出しは?山月記

中島敦の「山月記」の李徴は、どうして「虎に変身」した理由について、

「初めは本当にわからなくて『運命』としか言いようがないと思っていたが(2.)、袁?と話しているうちにある考えに行きついた(3.)。それは李徴自身が知らぬ間に「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という心の中の猛獣を飼いふとらせてしまったという事実である(4.)。妻子よりも詩業(正確には一流の詩人という名声を得ること)を優先した人間性の欠如も、あるいはあさましい虎の姿になった原因かもしれない(1.)。」という風に、李徴の中で絶えず変化していきます。このうちどれが当てはまっているかと言えば、全て当てはまっているといってもよいでしょう。

引用文

1.本当は、先まず、この事の方を先にお願いすべきだったのだ、己が人間だったなら。飢え凍えようとする妻子のことよりも、己おのれの乏しい詩業の方を気にかけているような男だから、こんな獣に身を堕おとすのだ。

2.全く、どんな事でも起り得るのだと思うて、深く懼れた。しかし、何故こんな事になったのだろう。分らぬ。全く何事も我々には判わからぬ。理由も分らずに押付けられたものを大人しく受取って、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめだ。

3.何故なぜこんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えようによれば、思い当ることが全然ないでもない。

4.人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己おれの場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。これが己を損い、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形をかくの如く、内心にふさわしいものに変えてしまったのだ。

5.いったい、獣でも人間でも、もとは何かほかのものだったんだろう。初めはそれを覚えているが、しだいに忘れてしまい、初めから今の形のものだったと思い込んでいるのではないか

6.数年の後、貧窮に堪たえず、妻子の衣食のために遂ついに節を屈して、再び東へ赴き、一地方官吏の職を奉ずることになった

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