イオン反応式の係数の揃え方は?電子・電荷のつけ方は?

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イオン反応式の係数の電子・電荷の揃え方は?

イオン反応式の係数を求める問題の解き方について裏ワザのようなやり方はあるんでしょうか?

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イオン反応式の係数の揃え方は?電子・電荷のつけ方は?

化学反応式の係数の求め方は、左辺と右辺で原子の種類と数がそろえば完成ですが、イオン反応式では左辺と右辺で電荷の合計も合わせなければなりません。

電荷は

イオンでなければ”0″

1価の陽イオンなら”+1″

2価の陰イオンなら”-2″

というように考えます。

例えば、銀イオンの含まれている水溶液に亜鉛の単体を加えると、亜鉛がイオンになって銀が析出します。

これをイオン反応式にしていきましょう。

Ag+ + Zn → Ag + Zn2+

左辺と右辺で原子の種類と数は合っていますが、左辺の電荷の合計は+1、右辺の電荷の合計は+2でそろっていません。

電荷の合計をそろえるために、左辺のAg+の係数を2にしましょう。

2Ag+ + Zn → Ag + Zn2+

これで電荷はそろいましたが、原子の数がずれてしまいました。右辺のAgの係数を2にしましょう。

2Ag+ + Zn → 2Ag + Zn2+

これでイオン反応式の完成です。

イオン反応式の係数は数合わせです。ただ、左辺と右辺の原子(イオン)の数と電荷の両方を合わせなければなりません。

■電子e -を用いた反応式(=半反応式)
酸化還元反応のうち酸化または還元成分のみを記述した化学反応式
例)MnO4^- →Mn^2+ (酸化剤)

■イオン反応式
イオンを含むまたはイオンのみで表される式
例)Cu→Cu^2+ +2e^-

■化学反応式
物質の化学変化、すなわち化学反応を表現する式

電子e -を用いた反応式(=半反応式)(酸化剤)+電子e -を用いた反応式(=半反応式)(還元剤)=イオン反応式

イオン反応式+省略されていたイオン
=化学反応式
というようなイメージです。

イオン反応式で係数の電子・電荷の揃え方 練習問題

()Fe2+ + ()Cl2 → ()Fe3 + ()Cl-
()Cu2+ + ()Al → ()Cu + ()Al3+
()Al + ()H+ → ()Al3+ + ()H2

Fe2+は Feは一つ、Cl2はClが2つ存在している。

同様に、Fe3+、Cu2+、Al3+、Al、H+は1つの原子(イオン)が存在し、H2はH原子が2つ存在していることになります。

また、Fe3+とAl3+の電荷は+3、Cu2+の電荷は+2、Cu+は+1、Cl-は‐1、Cl2とAlとH2はプラスやマイナスがないので、0であることを確認ください。ちなみに、2Cl-の電荷は‐1が二つあるので、-2となります。

それでは、数合わせをしてみましょう。説明しやすいようにカッコ内にⅠⅡⅢⅣと入れてみました。

(Ⅰ)Fe2+ + (Ⅱ)Cl2 → (Ⅲ)Fe3 + (Ⅳ)Cl-

→(矢印)の左側を左辺、右側を右辺とします。

・まず、Feについて、左辺にはFeが1つ(Fe2+)、右辺にも1つ(Fe3+)あります。

数が1つずつとあっているので、1を(Ⅰ)と(Ⅲ)に入れます。

・次に、Clについて、左辺には2つ(Cl2なので)、右辺には1つ(Cl-)あります。

右辺の数が一つ足りませんね。なので、(Ⅱ)に1を(Ⅳ)に2を入れると、

(左辺)1Cl2 =2個、(右辺)2Cl- =2個 と数が合いました。

よって(1)Fe2+ + (1)Cl2 → (1)Fe3 + (2)Cl-

しかし、これでは電荷が合っていません。

(左辺)+2+0 =+2
(右辺)+3+(-2)=+1

電荷を合わせるためには、①左辺のマイナスを増やす②右辺のプラスを増やすのどちらかです。左辺にマイナスの成分はないので①は不可。

よって、②を実行します。Fe3+の前を2にしました。

(1)Fe2+ + (1)Cl2 → (2)Fe3 + (2)Cl-

そうすると、Feの数が合いません(左辺のFeが一つ少ない)。

なので、Fe2+の前を2にしました。

(2)Fe2+ + (1)Cl2 → (2)Fe3 + (2)Cl-

これですべてが合いました。

おさらいすると、

原子(イオン)の数
(左辺)Fe 2個、Cl 2個
(右辺)Fe 2個、Cl 2個

電荷
(左辺)+4+0 =+4
(右辺)+6+(-2)=+4

この調子で、残りの2問を解いてみましょう。

(3)Cu2+ + (2)Al → (3)Cu + (2)Al3+
(2)Al + (6)H+ → (2)Al3+ + (3)H2

■問題

〇Fe3+ + 〇Sn2+ → 〇Fe2+ + 〇Sn4+
〇に当てはまる係数を答えなさい。

FeイオンとSnイオン,個別に価数の変化を考えると
Fe3(3+) + e- → Fe(2+) …①
Sn(2+) → Sn(4+) + 2e- …②
e- の数は ①で1個,②で2個なので,数合わせのため ①を2倍すると
2Fe3(3+) + 2e- → 2Fe(2+) …①’
Sn(2+) → Sn(4+) + 2e- …②
片々足して
2Fe3(3+) + Sn(2+) → 2Fe(2+) + Sn(4+)

e- を使わないように考えるとすれば,

Fe3(3+) + Sn(2+) → Fe3(2+) + Sn(4+)
この段階では,両辺の原子数は合っていますが,電荷の和が合っていません。
電荷の和を両辺で比べると,左辺が +5,右辺が +6 なので,これを合わせるように調整します。

Snイオンを1個ずつ増やすと
(両辺で原子数が等しくなければならないので,かならず両辺同じ数ずつ増やす)
Fe3(3+) + 2Sn(2+) → Fe3(2+) + 2Sn(4+)
左辺が +7,右辺が +10 で,最初より差が開いてしまうのでダメ。

なのでFeイオンを1個ずつ増やすと
2Fe3(3+) + Sn(2+) → 2Fe3(2+) + Sn(4+)

両辺が +8 ずつになり,これで完成となります。

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