面舵いっぱい・取り舵の意味・語源は?なぜ右回り・左回り?

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面舵いっぱいの「面舵」や「取り舵」の語源は?

面舵いっぱいとはどういう意味でしょうか?左に曲がる時は「取り舵」?

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面舵いっぱい・取り舵の意味は?なぜ右回り・左回り?

面舵いっぱいの「面舵」や「取り舵」は船の 操舵法で 使用する語。

面舵 に 対応する語 は取舵(とりかじ)
面舵は 進行方向に対し 右方向に 進路を変えるとき舵輪を右にとまるまで(いっぱい)まわし 急角度で曲がること。
取舵はその逆。

「面舵」や「取り舵」の意味・語源について、「船のはなし」瀧澤宗人(技報堂出版,1991)によると、

海上交通の基本は右側通行であり、船舶同士の衝突防止のためには、「1972年の海上における衝突の予防のための国際規則」が制定され、これに準じた国内法として「海上衝突防止法」(1977年)が定められている。その航法は、「操船の容易な船の側が操船が不自由な船を避ける行動をとる」「お互いが相手の右側を通行すること」が基本である。

衝突のおそれが生ずると判断した場合で、上の図(a)のように2船が直線上で行き合う場合には、お互いが右舷方向に進路を変える。夜間であればお互いが相手船の二本のマストの自灯をほぼ直線上にみるか、両舷の紅、緑の舷灯を同時にみるときは行き合うと判断する。(注:左舷側の舷灯は紅色、右舷側の舷灯は緑色)

図(b)のように、2船がお互いの進路を横切る場合は、他船(A)を右舷にみる船(B)が回避義務船となる。夜間であればA船は紅の舷灯が識別される。B船は進路を変更するか速力を減ずるなどの処置をとらなければならない。一方、A船は針路速力をそのままに航行を続けなければならなない。横切り角度が大きい図(c)でも、同様であるが、B船は回避行動によって、A船の後に回り込む形になる。

■問題は「面舵」「取り舵」の意味である。辞書的には以下の通りである。
    「面舵」  (英:starboard スターボード) =  右舷方向に曲げる
    「取り舵」 (英:port   ポート)      =  左舷方向に曲げる
 再び上書より引用する。

日本では航行中船首を左に振るように舵をとることを取舵といい、右に振るように舵をとることを面舵といいますが、取舵とは酉(西)の方向に舵をとることであり、面舵とは卯(東)の方向に舵をとることです。取舵は読んで字のとおりですが、面舵は卯の舵の「卯の」がだんだん変化していつのころからか面に変わったといわれます。

面舵いっぱい・取り舵の語源は?なぜ右回り・左回り?

■Starboard
・   put the wheel starboard,舵輪を右舷に取る、面舵を取る、(cf, astarboard)
・   -vt, 舵柄を右舷に取る。★元は舵柄を右に回せば船首は左に曲がったが、
・   1930年以降は船首も右に回る(cf, port vt)
・   Starboard (helm) ! [号令]もとは取り舵(米 Left !) 今の面舵(米 Right !)

ステアボードによって舵を取る船では、舵手が、舵の取っ手側を回転するのと逆の方向に舵板本体が向く。船首は舵の向いた側に回転していく。当初は舵手に対して、ステアボードの取っ手の回転する向きを指示した。例えば舵をA方向に切りたいときは、舵手にB方向に舵の取っ手を回すように指示する。この場合、B方向とは右舷側だから、「スターボード!」と叫ぶ。これによって舵はA方向に切られ、船首は「左舷」側に回る。ようするに、「スターボード」(右舷)ということで、「取り舵」を切ったことになる。これが、元々はスターボードは取り舵だったという意味である。
 ところが、近代になって、船舶の大型化によって、舵は舵輪(自動車のステアリングハンドルと同じ形式)になる。舵輪は、直接舵板に結合せず、歯車列や、油圧などによって間接的に制御されるので、船首の回転方向と舵輪の回転方向は一致するように設計することが妥当である。こうなると、今度は舵手に「スターボード!」と指示すると、「面舵」になる。

■舵装置の初期構造から来る呼称が、装置の変化に伴って、的確な呼称変更がおこなわれなかったことによる混乱である。だから、アメリカのように、近代になってから船舶を使うようになった国は、こんな面倒な言い方をぜすに、取り舵(Left !) 面舵(Right !)と言う。舵輪に向かって右左であるから、比較的間違えにくそうである。

まとめ:面舵いっぱい・取り舵の意味・語源は?なぜ右回り・左回り?

面舵いっぱい、とは、船の運航で船首が右に向くように舵をいっぱいに切る事ですね。左向きなら取り舵。

船舶航行の国際ルールでは右側通行が基本で、例えば互いに真正面から接近する船は互いに右に転舵して衝突を回避します。互いに進路が交差する場合、相手を右に見る船の方に回避義務があり、やはり右に転舵して回避します。

なぜ右か。これは古い日本の方位表現が元になっています。時代劇で「丑寅(うしとら)の方角」なんて聞いた事ありませんか。昔は360度に十二支を当てはめて表現しました。

北を子(ね)にして、時計盤で言えば1時方向が丑(うし)、2時が寅…としていくと、9時方向=西=つまり北を向いていたら左方向が酉(とり)になります。つまり元は「酉舵」だったんですね。

そして3時方向は? 卯(う)です。だから元は「卯の舵」だったそうなんです。これがだんだん変化して「卯面(うむ)舵」になり「面(おも)舵」になった、と言われています。

「面舵」は英語ならスターボードですが、これもステアボード(舵板)側、という表現の変化なんです。ちなみに「取舵」はポート、つまり接岸する港側という意味です。

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